プレスリリース

日本におけるコカ・コーラビジネスの歴史 第9回 自動販売機の進化史

文章附图

2017年の今年、創立60周年を迎えた日本コカ・コーラ株式会社。
それを記念して、日本コカ・コーラの社史と
コカ・コーラ社製品の日本市場における歴史を
ご紹介する連載企画の第9回です。
今回は、清涼飲料と切っても切り離せない関係にある
自動販売機の進化の歴史をご紹介します。



(連載第1回から読む)

イラスト=宮内大樹

日本の清涼飲料用自動販売機第1号は、1962年(昭和37年)に三菱重工と米国のベンド社が共同で開発した「コカ・コーラ」のコンツアーボトル(グラスボトル)用の半自動型のものでした。その後、続いて開発された全自動型と合わせた880台の自動販売機が62年中には全国に設置されました。このよううにして、自動販売機の製造が本格化したのです。




現在は、製品ラインナップの提案から在庫の管理、補充までをボトラー社*1の営業担当者が実施する「フルサービスオペレーション方式」と呼ばれる仕組みが主流になっているのに対し、当時は、小売店が自ら製品を仕入れ、自動販売機に補充する仕組みになっていました。



1970年(昭和45年)、缶入り製品を販売できる自動販売機が市場導入されたのをきっかけに、自動販売機は、急速に全国へと広がっていきました。
そして、「ジョージア」が発売された1975年(昭和50年)には、温/冷製品を販売できる、ホット&コールドコンビネーション機が登場。これにより消費者は、夏には冷たい飲料を、冬には温かい飲料を手軽に購入できるようになったのです。



その後も自動販売機の技術革新は続きます。1997年(平成9年)にはPETボトル製品対応自動販売機が、そして、2002年(平成14年)には携帯電話の赤外線技術を活用したキャッシュレス自動販売機が、さらには、2003年(平成15年)には災害支援型自動販売機が登場しました。大地震などでライフラインが被害を受けた場合に、無償で地域の方々に清涼飲料を提供できる仕組みを備えた災害支援型自動販売機は、2011年(平成23年)の東日本大震災の際などにも稼働しています(*2)



機能性と利便性が向上した自動販売機が開発される一方で、環境に配慮した自動販売機も開発されています。2005年(平成17年)には環境負荷が低く冷却効果が高いノンフロン型の自動販売機が登場、そして2013年(平成25年)には「ピークシフト自販機(*3)」が開発されて、全国に展開されました。



自動販売機の中には、金銭の面で社会に貢献しているものもあります。たとえば、2016年(平成28年)に誕生した「JOCオリンピック支援自販機」(第1号は東京体育館<東京都渋谷区>に設置)は、1本製品を購入する毎に数円がJOCに寄付され、選手の強化・育成費用に使用されています。



このように、コカ・コーラ社は50年以上もの間、自動販売機の開発に力を入れてきました。2016年4月からは、スマートフォンアプリ「CokeON」に対応した「スマホ自販機R」の展開も強化中です。果たして、今後はどんな自動販売機が登場するのでしょうか。


*1 日本コカ・コーラが原液の供給、製品の企画開発、マーケティング活動を担い、ボトラー社は製品の製造、販売などを担う。
*2 災害支援型自動販売機は、他にも2004年の中越地震、2016年の熊本地震の際にも稼働しました。
*3「ピークシフト自販機」とは、最長16時間もの間、冷却用の電力を停止しても製品を冷たいまま提供できる自動販売機で、夏の日中に使用する消費電力を最大95%削減できることが特徴です。